手創りの会
手創りの会通信 Vol.48 タヌキ汁
2009年10月31日
参加メンバー:赤松、石水、石渡、伊藤、太田、大沢、栗間
佐々木、佐藤、塙、藤本
講師:大沢 則夫
今日は足からやっていくんだけどもね。
新しい方が多いので、肘、膝がすごく大事なんでね、
ちょっと肘膝をお互いにどの程度具合がいいか悪いかを
お互いに見てみましょう。
まずは手をちょっと握手してお互いに。
手の感触だけとりあえず。(全員順番に握手していく)
まあ握手は手の感覚をあれなんだけども、握手した瞬間に
肘の関節、肩の関節、屈曲伸展ですよね。
それから肩関節の屈曲伸展内旋外旋内転外転の左右差を見るという、
握手したときにね。それから今度は僧房筋の動きも見えてくる。
そのときぱっとどうしようかという方針をたてるんですよ。
握手した瞬間に。
でこうやったときやっぱり右手を触りたくなる。
この辺の感じをちょっと組んでいただいて。
何をしたいかってことを会った瞬間にね。まず上肢。何をしたいか。
余分なことはしなくていいよ。
で、気になったところを触ってもう一度握手してみて。
どうですか。
じゃあもう一度握手してみて。それで何が気になったか。
瞬間に感じたことでいいんですよ。「あれっ?」って言う。
(この人だったら)母指と示指のこれを感じるんですよ。
母指がこう固まっちゃってるって状態なんですよ。
母指をかなり一生懸命(使っている)この鞍関節を使いすぎてる。
だからこういう形になっている。だからこうほぐしてやる。
このライン真っ直ぐになってるから腱鞘炎を起こしやすい。
もっとうまく身体全体で当てていかないと疲れていっちゃうんですよ。
使う側の。
施術者の問題としてね。触った瞬間にね、指があたっちゃうわけ。
だから作れるんですよ。再現性があるわけ。勘じゃなくて。
あくまで科学なんだから。
その上で見えない世界の直感を大事にしなくちゃいけないわけ。
じゃあこうして同じような身体を作ってごらん。その悪い身体を。
なかなか難しいんだけど、再現してそれを変えていく。
筋肉と骨しかないんだから。ほかに頭があるんだけど、
よけいな思い込みとして。だからそれは置いておいて。
今の関節の屈曲/伸展/内旋/外旋/内転/外転という三軸の
動きしかないわけでしょ。それが矢状面にきちっと動いているか、
前額面にきちっと動いているか,垂直面に動いているか、
軸がとれているか,それしかないんですよ、この筋肉関節は。
じゃあこういう患者さんが来たとする。
それを再現できるかどうかだよ。
これを相手に作って見てごらん。
見えない人に説明するときに
「肘関節90°、肩関節内旋して外転」
それを作ればいいんだよ。
再現できるってことは相手の問題がわかってるってことだから、
問題がわかれば解決もできるでしょ。
4人で一人モデルになってやってみてごらん。
一人が患者で一人が写して、二人が再現できているかチェックする。
あんまり変わっちゃだめだよ。
握手するだけで変わってきちゃうからね。
吸い取って相手の状態を作り上げる。
どうですか、石水君の感じができていますか。
「ちょっと違う」
じゃあもう一回やってみて
「さっきよりはちょっと近いかな」
「握手したときこっちがすごく重く感じたので最初は力を抜けば
いいのかな、と思ったんですけど違うようだったので、今度は
関節を固まった状態にして力を抜いてみたんですよ」
それができるってことは自分が再現できてるってことだから、
そこを攻めていけば良いわけでしょ。
「重く感じるってことは・・・」
抜けて感じるか.固まって感じるかなんだよ。
それを接触した瞬間に感じる。
それを持っていれば握手した瞬間にこっちに全部写っちゃうんですよ。
同じように痛くなっちゃう。それを痛くないように治療しながら、
自分の治療もしていけば良いんだよ。結論を言えば。
そんな楽なことはないでしょ。
患者が写ってここにいるわけなんだから、自分の肩が楽になるように
相手を触りながら自分の治療をする。
そうなるともう科学じゃなくなっちゃう。
・・というか科学では解明できないんですよ。
科学のラインでは屈曲伸展ていう軸性があって、
筋肉と神経支配があって再現できますよっていう。
じゃあまた一人を患者にして、二人がチェック係という形でやってみて。
座り方から全部違うんだよ。立て膝でやっただけで全然違う。
だから丸ごと全部を写すってことですよ。
患者の人は自分で具合の悪い状態を作ってみてください。
でもだんだん変わっていちゃうからね。
頑張って同じ状態を作り続ける。
「どうですか」
「逆な気がする」
「わからない」
(先生やってみて)なかなか難しいね。肉量も違うからね。
明らかに悪い人だったらわかるんだけども。
だんだんさっきより良くなってきているから。これ面白いね。
要するに握手した瞬間に全部見えるってことですよ。
ツボで言えば「尺」のつくところ、尺沢とか尺中とかって言うのは
プラグで言えば、首ですよ。電気器具って言うのは大体壊れるのは
ここですよ。大体ここが断線するわけ。だからここを換えれば良い。
屈曲・伸展するところだから。だから肘はすごく大事。
肘をいじれば大体案外何でも治っていく。
で、今度は肘に負担がかかるのはなんでかって言うと、
肩関節がうまく動かない。
多軸的に動いてくれないから肘が頑張らざるを得ない。
今度は肩関節が何でうまく動かないかって言うと
脊柱がしっかり軸をとれてないってことになる。
そういうことを瞬間に読んでいく。
そういうことで二人ペアになって、
ちょっと今日は肘いじることにしましょうか。
もう一回握手して,その感覚を。
別に肘をいじらなくっても良いですよ。一番気になるところを。
頚部でも良いし、脊柱でも良いし。
筋肉の起始・停止ってことがあるでしょ。
今度は停止の方を、要するに肘関節のことを含めて言うと
ここ(手部)を丁寧にひとつひとつ揉みほぐしてあげる。
関節を広げてあげる。
屈曲が強すぎて伸展できないわけですから、伸びるように
ひとつひとつ揉みほぐしてあげる。痛いぐらいね。
「足の指と同じですね」
ひとつひとつの関節の可動域を広げてあげる。丁寧に揉み込む。
これは一回では終わらないわけですよ。一年くらいかけてやる(笑)
それぐらいのつもりで。
それから今度は中手骨、中手手根関節,手根骨のひとつずつ。
これだけで大分改善していくと思います。
ものすごく固まっているから、痛いぐらいにやっていいですよ。
今からやっておかないと元に戻らなくなるから。
私のももう完璧に治らなくなってるから。
今から三十年くらいかけて元に戻そうかなと。
手根骨、中手骨,鞍関節、とにかく手根骨が一番アンカーになるから
(しばらく揉んで)ちょっと握手してみて。
「あー本当全然違う手になった」
「気持ちいい」
「見た感じは広がってるのに、触った感じはほっそりしている」
「老人にもこうやっていいもんなんですかね」
うん、難しいところだね。
(別の人やってもらって)
「おー開きが超いいですねー」
とにかくひとつひとつの関節を丁寧に可動域を広げてあげるって言うね。
指ひとつに三カ所あるわけでしょ。
示指、母指は一番使うわけでしょ。
(この指は)柔らかいけど、だんだん節くれ立ってくるわけですよ。
炎症を起こしてる場合は注意しなくちゃいけない。
腱鞘炎をさらに悪化させちゃうからね。手が柔らかいですね。
逃げちゃう可能性があるよね、柔らかすぎると力が。
ただ触ってるだけじゃだめだよ。メリハリをつけないと。
なんとか溶かしてあげる。ニカワの状態を。
さあいいですか。手ができたら今度は膝です。
仰臥位で寝ていただいて、膝をぱっと当てて、
左右差を見て、問題があるかないかを診て。
立っている人は順番に移動して寝ている人を次々に診てください。
どんな問題が出ていますか。全体的にみなさん右がおかしいんじゃない。
おかしい方を丹念にほぐしてあげる。要するに動かない膝蓋骨を動かすように、軽くね。膝関節の問題は結局、足関節,股関節の問題が出てくる。それから頸椎、胸椎の問題も出てくる。で、治してもらった人ちょっと立ってみてください。立った感じの感覚はどうでしょうかね、普段の感じと比べて。あんまり差がない?
「いやー立ちやすいかな」
「触られたところがゆるゆるになって、立つのが・・・」
じゃあ交代して全員膝を診ていって。で探られる程度だったらいやだからね。触られた瞬間にそれだけでうっとりと寝ちゃうようなね、触り方をする。
「こそばゆいです」
だんだん目が冴えてきてゾクゾクしてくるよ。
いじられてるのはダメなんですよ。どんどん流れていって、
差を診ていくんですよ。
そのなかで4人のうち誰が一番問題かって言うのをみていけばいいんです。
(先生も診ながら)左が良くないね。かなり複雑な構造ですね。左はすごく良いんだけど右にばっかり負担がかかっちゃってる。左はあまり使われていない感じですね。右が伸びちゃってる感じだな。股関節が伸びちゃってる。相当差がある。腰の問題、膝の問題。
膝を触って何が見えたかってことですよね。全体の問題、左右差があったりですね。膝を触りますね。腰を何とかしてあげたくなりますね,股関節、仙骨のあたりですね。
えーとどうしようかな。ちょっとうつ伏せになってもらえますか。
腰椎は前弯するんですね。だからこうしてあげたい。
もう一回天井向いてください。左右差が出てきちゃな。
こっちが緩んでない。右は緩んだんだけど左がね。
10人ぐらいが触るとそれだけで変わっちゃう。
影響を与えない触り方をしていく。どうでしょう。
えーと屈曲してみてください。どっちが楽ですか。こっちですね。
それくらいの差はわかるよね。
それでどうしていくかっていうことなんですかね。
差ができちゃったからね。要は前弯しているわけですから、
後弯の状態を作ってあげる。こうやってね。まだダメだな。
悪い方がはっきりしてきちゃったね。どうしよう。
これは一回うつ伏せになっちゃうしかないな。
いつもやっているようにですね。四頭筋をどう緩めるかですね。
完璧にこれだけ違うんですね。内旋と外旋いろいろやってみてですね。
かなりあっちこっち悪いな。(円皮鍼をみて)ん?
「今すごい忙しくて何とか身体を保たせようと思って」
すごいですねー。これ貼ってると違う?
「全然違いますよ。身体が保ちます」
さあ、これでもう一回天井を向いてください。んー、なかなか取れない。これ詰まっちゃってるんですよ。どんどん詰まってきてる。緩んでる方を入れるっていうのもあるんです。とりあえず悪い方に合わせちゃう。(笑)お互い悪くしちゃう。どうですかね。
「変わりましたね、確かに」
バランスをとれば良いんだからね。両方悪くしちゃう。相当悪くしてる。骨を削ってっていう、かなりね。さあどうでしょう。
「足自体が軽いですね。バランスが良い感じがする。足が軽い」
結局骨盤、仙骨と腸骨と腰椎のところがかなり無理しちゃってる。
だから4番5番が前へ滑っていちゃう可能性がある。
もっと引っ込めないと。たぬき汁って知ってる?
「わかりません」
じゃあやろうかな。じゃあもう一回仰臥位で寝てください。
ひとりずつ腕と足を持つんですよ。でしっかり握手する。
そのまま静かに上げて。「酔っちゃいそう」あ、動かさない。
下から火であぶるわけ、たぬきを。
腰椎が伸びていくでしょ、で首はだらっとする。とにかく静かにこの状態で。カチカチ山のタヌキが捕まって、囲炉裏の上で縛られて、たぬき汁を作るっていう。じゃあもう一回立ってみて。
「よくわからない。見た目はどうですか」
自分の感じはどうなんですか。
「足はさっき軽くなって」
膝の痛みはなくなった?
「膝はめっちゃ上がりますね バランスはすごく良い。
ちゃんと足が着きますね」
という感じで、膝を触ってからどんどんどんどん膨らませていけばね。
「座骨神経痛になりそう」
骨までいきそうだよね。
「さっき寝たときに(腰椎が)浮いてましたもんね」
痛くなければ直に寝てみて。
(寝る)「膝を曲げて浮いてるところが着くようにしてください」
膝小僧を抱えて背中が着くように。
「そのまま離れないように足を伸ばしていって。お腹に力をいれて」
「もう上がってません?」
「いや上がってない」
「だめだ。ここで浮いちゃう 腹筋がいるんですかね」
「いりますね」
「腹筋はあるんですけどね。割れてるんですよ」
「割れてるんですか」(笑)
膝を触るってことだけだったんだけど、もうこの時点で腰仙椎の問題が出ちゃうから、ここじゃなくてそっちをやらないことにはここはもう治らない。でもこれで左右差の違和感は無くなったでしょ。ちょっと触ってみてください。
ま、差はあるんだけどさっきのような極端なのは無くなった。
どうやって前弯をなくしていくかっていう。
その関連でタヌキ汁をやった。要はこう丸くする。
普段からこうやって、電車の中でも水上スキーをやってるイメージですよ。
「席を譲ってくれるかもしれない」
連結部にいれば自然に動いてくれるじゃない。要はついでにやるってことですよ。どこでもできるんだからね。そうやって、骨までエネルギー取られそうになってるから,肉はもうだいぶ不足してるから骨の方までいっちゃうから、骨の調節しておかないと。
ということが、膝を触ったときにいろいろ情報としてもらったから,少しどうしようかって言う話になってくる。
それは一回ではなかなか治らんから、というか生活習慣がもうそういう生活習慣で、みたらその…悲惨な…(円皮鍼のこと)。
自虐性というか。それを何とかしなきゃ。
だから貼らなくていいような身のこなしをしていかなくちゃいけないんですよ。
本来はそんなことをしなくても良いように、やればやるほど元気になって、肉もついてきてっていうか。多分量が多いんでしょうね、逆に仕事の量がね。そこでどうするかってことだ。やめるわけにいかんのだったら,貼ってやっていくのか、そうじゃなくてもうひとつ…そうですね,骨盤の使い方というか股関節の使い方で,やっぱりやりながら、仕事しながらね。
「骨盤ベルトってどうなんですか?」
骨盤ベルトもいいですよ。エクササイズで。で骨盤ベルトってどんなやつ?(笑)
「こう閉めて作ってくれるんですよ(腰椎の形を)」
あー要するに伸縮はしないわけですね。するの?
骨盤ベルトじゃなくても自分とこにあるタオルでもいいんですよ。
「閉めればいい?」
閉めればいい。もののついでにやりましょうか。
骨盤ベルトってものがあればね,それを売ればいいんだけども。
これしかないって時はどうしますかね。
(手ぬぐい二枚)「結びますか?」いやいやどうしよう。
(重ねて畳む)これでいいですよ。本当は三つ折りくらいがいいかな。で上前腸骨陵、仙骨、ここへ掛けちゃいましょう。
「姿勢がダメなんですよね」(結ぶ)
「結構きついんですね」
そうそうこれくらいでね。こうやって。ちょっとまだ緩いかな。
どうですか。
「楽ですね。支えられてる感が」
そうそう。これでいいんですよ。これで帰してあげる。
「いい感じですね」
これで帰して、もしあれだったら自分とこで売ってもいいんですよ。まだちょっと緩いかな。もっと締めていい。
だから手ぬぐい二本しかないときはこのやり方で、あとまあこういう長いものがあれば。だからその辺にあるものを利用するってことですよ。本当はそういう帯があればいいんでしょうけども。こうしなさいっていう指導をしてあげる。お腹へこませて。もっとへこませて。
本当は縛った方がいいんですけどね。はい。これでどうですかね。
へこ帯っていうか,伸び縮みしない帯を使うといいですよ。
結わいてもいいですよ。
もっと長ければお腹へこませてぐるぐるの簀巻きにしちゃう。もうひとつはこういう帯ですよね。(胴着の帯)大沢って書いてあるのが一番いいんですよ(笑)。
「ここからエネルギーが…」
そうそう。自分でこれくらいのことはしなさいっていう指導をしてあげるってことですよね。でともかくこの上前腸骨陵をはずさないようにしていただいて。はいちょっと立ってみてください。
「これが一番きつくて、これくらい幅があった方が支えられてる感がありますね」
そうね。もう少し高い方がいいね。外れないくらい高くして。股関節にかからないようにして。腹帯を二つくらいにして,お腹へこませて簀巻きにしちゃう。それが一番身体に合うんですよ。だから腹帯を置いておくといいですよ。さらしのね。うちも売ってんだよね。腰痛ベルトもいいけど。
「その人に合わせられていいですよね。出来合いのものって合わないですもんね」
またどんどん変わっていくからね。
「あーそうですね」
そう。売りっぱなしでいいんだったらそれでもいいんだけど。お金儲けにはなるんだけど。その度に替えていけばいいんだから。だけどそれは我々の目的とするところじゃない。自立して自分で治していける方向性をね,指導していかなきゃならないんだから。ともかく腰痛に出会ったとき。どうしても治らない,なかなかうまくいかないというときにはこれを締めて帰すんですよ。そうしたらとりあえず歩いて帰れるから。
腰痛のときはじっとしてれば一番いいんです。痛くなくなるまで一年でも二年でも安静にしてれば治るの(笑)都合がなければね。都合があるから仕方がない。だから我々の出番になるの。
本来はそういうことですよ。一年かけて寝なきゃいけないのを一回で治すっていうのは相当すごい技ですよ。そこでまた信者にしていかなければいけないわけ。そのところの話術をさ。
あそこの人に任せておけば大丈夫なんだっていう信頼関係を作らないことには。それをしないで腰痛にはどのツボかなって,そうやっちゃうと全然解決しないし泥沼になっちゃうから。
だから基本は今日は肘と膝。肘と膝をやっているうちに腰のおかしいのが出てきて、大変な生活習慣をしているっていう。あとは首ですよ。首の位置が定まってないから、首を治せば。じゃあ最後にそれをやりましょう。仰向けになっていただいて。
(手ぬぐいが出てきて)これは我がスタッフの結婚祝いにもらったんですね。すごい由緒あるおめでたいものです。
「やる前に触ってみていいですか」
ああそうですね。じゃあ触ってみてください。触るっていうか、膝の問題だからね。だんだん変わるからね
「あまり触らない方がいい?」
いやいいですよ。触って。治してもいいですよ。
ようはだから、腰椎の前湾、すべりをどう治すかってことになってくるんですよね。
「カーブがないね」
明日くたばっちゃうな。明日お休みですか?
「はい」
じゃあいいか。まず望診ですね。望診をしておくといいですね。しっかり診ないんですよ。
「ぼーっと」
正解。だんだんわかってきたね。あとは髪の毛の処置なんですよ。こうあるとどうしても傾いちゃうんですよ。(結んであるので仰向けで引っかかる)留めるのもどうするか。できれば怒髪天の状態にするんですよ。頸椎の方が逆に後弯しちゃってるのね。前弯じゃなくて。だからその前弯と後弯のバランスが良くない。バランスを取ってるわけですよ、逆に言えばね。だからつらいと思うんですよ、首がね。(調整して)痛くない?
「大丈夫です」
こちらの指が入らないくらいの状態ですね。普通はもうちょっと入ります。
「移っちゃいません?」
なんかこみ上げてくるものがあるね。ともかく頭が重たいね。本当に重たい頭の人がいるんですよ。持ち上がらないぐらいね。治療してると段々軽くなってくるんですよ。なんであんなに重たいんですかね。
「力が入ってるんじゃないですか」
力が入ってるんでしょうね。持ち上がらないんですよ。でも首は柔らかいんですよ。首は柔らかいんでけど、中身が詰まっていて、治療してるうちに中身が向こうに行くんですかね。何かね金属が入ってるみたいにものすごく重たい感じがする。鉄アレイかなんか持ち上げてるような感じがするんですよ。それがある日突然ふっと無くなっちゃう。それが面白いですね。
うん……どこから治そうかって感じになっちゃうね。脊柱の前弯・後弯ってのもかなり、背骨のここから真っ直ぐ来ちゃってる。背骨の肩甲間部ってのは後弯でしょ。それがストレートな感じがしますね。でもだいぶ入ってきましたね。
大腿四頭筋がものすごく緊張してるので、これが働いてるっていうか、使ってるんでしょうね。四頭筋っていうのは何かっていうと、伸展させる働きがあるわけですね。だから要するに上下動があるってことですよね。,日常の中に。だから大きな四頭筋を何とか緩めてあげるしかないのかな、まず大きな方針としては。首は真っ直ぐになってるから。首はそれ以上変わんないっていうかね。
今見えることは頑張ってる四頭筋をほぐしてあげる。それから腸脛靱帯だね。これが固くなっちゃってるとこれは厳しいですけどね。
これは固くないですよ。この大腿部に対して下腿部がないんですよ。だからこの大腿だったらもう少し下腿の方にもお肉が欲しい。そしたらバランスが良くなる。
だから全部膝にくるんですよ,この重さがね。その衝撃を和らげるには足の裏を柔らかくするしかないかな。ともかく立ち居振る舞いのときに柔らかく。このお肉をこっちに寄せてあげる。このお肉を柔らかく柔らかく。
左だけやってみましょうか。こっち来い、こっち来い。そういう祈りは通じますからね。もっとふにゃふにゃの、柔らかい赤ちゃんみたいな芯を作ってあげる。ひたすらそれをしてあげる。このへんから少し持ってきてあげて。そんなことできるのかしら。段々なってきたでしょ。みえない?
だいぶさっきより。こっち来いこっち来いって。意地悪いんだけど左だけ。足の裏の土踏まずと,外側の小指側の方がものすごくザラついてる。こっち側に圧がかかってるんですよ。これくらいにしてみようか。ちょっと起きてみてください。
「立ちくらみが…」
貧血起こした? 急に起きちゃったから。いいですよゆっくり。
「…何でしたっけ」
前弯の感じがどうか。
「腰はさっきより多分いい感じですね。足は今力が抜けてて」
右左はどうですか。
「そうですね右ははってる感がすごくあります。そうでした。」
左の方がピタってしてるでしょ。
「さっきは左だったんだよね」
「右の方がぼってりして重いですね。多分左の方が痩身効果っていうか,やせた気がします」
「そうねやせた気がする」
だから肉の移動じゃなくて水なんだよね。
「(笑)そうですよね」
肉が移動するわけないんだから。中にいっぱいたまってるわけですよ,それを動かしてあげる。まあ肉を移動したことなんだけど。四頭筋も筋肉がいっぱいついてるわけじゃなくて,その中に水がたまってるっていうか、それを下に流してあげるんだよね。
「上げるんじゃないんですね」
うん,下に流す。それは上の方が張っちゃってるし、下腿が全然狭くなってるわけですよ。ってことは立ってる衝撃,ショックを受けるには液状が必要なんですよ。コツコツ骨だと疲れちゃうから。もっと下に肉があってクッションになるように、もっと足の裏を柔らかくする、そこに持っていってやる,そういうことをしたわけ今。
きわめて物理的な方法ですよ,科学的なね。こつっと当たらないで,できるだけ柔らかく、こういうクッションで当たるような足を作ってあげる。
あと貧血の問題もあるわけだから,相当ね疲れてるね。
ちょっとオーバーワークなんじゃない。その辺をちょっと考えないといけない。そうしないとちょっと厳しいかもね。また生活習慣が戻っていっちゃったら,かえって疲れがはっきりするかもね。もっと疲れちゃう。
「今こうやって起きて貧血になったんだよね?」
「勢いでおきたら」
「起立性の貧血ですね」
「多分今はパワーが全然足りてない。仕方ないんですけどね」
まあ今日は肘膝のチェックってことで、それぞれ多分問題があるんだろうけど、いろいろそういう風に考えて。直感の世界と、やっぱり科学としてきちんと分析してみていくことと両方やらなきゃいけない。でも何よりもまず、あれっ何だろうな、変だなっていう、ここかなっていうのを大事にしていく。握手した瞬間に,それから膝を触った瞬間に。
それで私が感じたのは腰の問題。膝じゃなくて。膝を治すためには腰がっていう。要は腰が前弯している。そしたら首の方もかなり真っ直ぐになってる。頭の重さがうまく逃げていかないんですよね。もろにこっちに来ちゃうから。あとまだ微妙な右左のねじれもあるから。ベッドサイドに行くとき自分のやりやすい方ってあるでしょ。
そのクセでねじれができちゃうから,それもちょっと変ええてみるとか。日常の動線を変えてみるとか。なるべく疲れないような動線をね。量はもうしょうがない。患者さんの扱う量はしょうがないんだから、あとはどうやって手を抜くかっていうか,自分が疲れないような動線を考えてなるべく短い距離でやる。
あとは靴をどうするか,もうちょっと柔らかい靴を履くとか。スリッパなんかでやったら絶対良くないから。きちっと履物はやっぱり自由に動けるような,フットワークの良いスニーカーみたいなものを履くとか。どんなものを履いてるのかな。
「普段はペタンとしたのですけど。ちょっと出かけるときはヒールを履きます」
治療院も土足じゃなくて,ちゃんと上履きを履いて
「治療院では普通のスリッパです。自分で買った脱ぎやすいつっかけみたいなのです。サンダルっぽいやつです」
サンダルか。靴を履いちゃいけないってことはないんでしょ。
「でもベッドに乗って施術をするときに脱ぎづらいから」
ああそうか。
「でもほとんど往診に出ているんで,靴でいるときの方が多いかな。仕事も週三回なので,そこまでは」
ともかく置いた瞬間に衝撃を吸収してくれるようないい靴を履いて。衝撃を吸収しないと膝にくるし。身体の治療以外にもね、身体がそうなっていく要因をひとつひとつ消していって,なるべく良い方向に持っていくように。案外これがっていうのが九割方の大きな原因だったりするので、ともかくひとつひとつ原因を潰していく。
じゃあもう一回握手して。どう変わったか。二人新しい人が来たからね。遅れてきた二人をモデルにしてもいいし。あの二人をいじくったっていいですよ。指がだいぶ荒れてる感じだな。今仕事してるの?
「今は家族しかしてないんですよ」
「握手会みたいな感じですね」
だれか今来たな。塙君?
「もう握手して終わりです」
「再現するんですか」
再現してもいいですよ。モデルとして作ってもいいし。塙君なんて作りやすいんじゃないかな。
「あ本当だ」
「腕の太さが違う気がする」
問題があったら指摘してあげて。後から来た三人に今日やったことを説明してあげて。
「手の長さが違う」
「はい。かなり左右偏った労働をしてましたから。レジ打ちなんです」
「左の方をたくさん使うんですか」
「いや,右の方です」
「じゃあ右が伸びちゃったのかな」
じゃあ三人寝ていただいて,膝だけ診ましょう,みんなで。
「首が気になる。なんか力が入ってて」
「くすぐったいですか」
「いえ大丈夫です」
さあじゃあ三人を10分で仕上げてみてください。要するにリラックスして帰してあげてください。何やってもいいですよ。足やってもいいし。
あんまり左右差はないね。あんまり感じない。何とかしてあげたい人、やってあげてください。
「じゃあうつ伏せでお願いします」
この二人はいいの? 10分間置いとけばいいの?
「じゃあ膝触らせてもらいます。お願いします」
「一緒にどうですか」
実際の治療も10分ぐらいなもんですよ。後は温灸で温めて置いておく。10分もやらない。録音取られちゃうからあれだけど、5分くらいかな。それで終わっちゃうんですよ。後は世間話をして。生活習慣を聞きながら,その具合を悪くならないように。治療自体は5分くらいで終わっちゃうんですよ,治療自体はね。
で,それ以上やっても変わらない。逆に言えばね。長くやって1時間やったから治るかっていうと変わらない。5分くらいですよ変わるのは。それをリラックスさせてあげる。
1分間でとりあえず100人を診た記録があるんで。足裏だけで。
ピースボートで2回ぐらいやったんですよ。夜中の深夜企画で。日付変更で一日消えちゃうでしょ、ずっと来るとき。そのときに24時間企画で。100人診るとね二人くらい全然問題のない人がいましたね。
癪なくらい全然痛くない。
「痛くないって人一人、田中さん痛くないって。でも触った感じ痛いだろって思うんですけど」
うん何やっても痛くない。
「関節が固くなってて,でも痛くないって。鈍い?」
うーんどうですかね。鈍いかどうかはわからない。その触り方にもよる。
「他の人は同じくらいに触っていたがるのに」
「みんなこの指は痛がるよね。第四」
(治療中の人に)「その人にタヌキ汁してみたらどうですか。前弯してるきがする」
「仰向けになってもらっていいですか」
足と手だけ持って、浮かさなくてもいいよ。
「やりますか」
やってみて。なるべく中心に向かって、お互いに。
「どうですか」
いやあ幸せだなー。
「上がらない」
(別の人?)「首を緩めたいんですけどどうしたらいいですか」
首よりも足を。股関節を内旋するか外旋するかして,もっと鈍角にして。そんなにぐりぐりしないで。
(先生が指導)必ず左右差があるので、片方やったらもう片方。なるべく楽にやった方がいいんですよ。一生懸命操体法で声をかけるよりもね。自分がリラックスする。今は首はあんまり触らないで足だけにしておく。膝と足指だけね。じゃあ10分経ちましたね。いかがですか。楽になりましたか。遅く来た方が治療してもらえるね。
今日は肘・膝ってことでやりましたけども,とにかく肘・膝はすごく大事なんでね,そこに触って診断していく。それから触れた瞬間にどこをやろうって組み立ててしまうということですね。で5分か10分で治療を仕上げてしまうってこと。後はまあ40分くらいは楽しむというか,寝かせてあげるというか。やっぱり10分で帰すとね。マッサージやってるんだっけ?
「鍼だけです」
何分くらいやってるんですか。
「往診は一人30分です。運動療法が多いです」
大変だね。治して,改善していってるの?
「患者さんですか? 始めの状態よりは良くなってきています。歩けなかったのが歩けるようになったりとか」
方向性見えてるのはいいですね。行く方も元気でますよね。今は治さない、治っちゃうと等級が下がっちゃうって問題もあるんですよね。難しい問題だね。鷲手になってたのが真っ直ぐになって使えるようになったら,今度は補助がきられちゃうから。
「仕事だけじゃなくて家のことも大変なんですか。子供とか」
「それプラスいろいろあってやることがひとつ増えてしまったので」
何か質問はありますか。今日やったのは4人一組で,握手した瞬間に、その具合の悪い状態を再現するっていうね。でそれがどれだけ再現できているかっていうのを残りの二人がチェックするっていうのをやりました。またやってみましょう。
ほんとに具合の悪い人が出てきたので,その人をモデルにしてみました。要はいかに効率よく短期間で治してあげるかっていうことで,感謝されてなおかつ生活が成り立っていく、そこですよね。感謝だけじゃやっぱり生きる糧をもらえないんでね。感謝だけで元気になって何も食べなくてもいいんだったらいいけど,やっぱり相応のものはもらわなくちゃいけないんだから。それに見合った技っていうのは必要になってくる。それを1時間2時間かけてついつい一生懸命にやりがちなんだけど、最初からそんなにやらないで,なるべくせいぜい30分、40分で仕上げるようにやっていった方がいいと思いますね。最初患者さんが来ないときは一生懸命1時間2時間やっちゃうんですよ。でもそれはやらないで,どんなに長くても40分くらい、せいぜい1時間。まあ勉強させてもらうことになるからそれは2時間でも3時間でもいいんですけども。だけど3時間かけるんだったらやっぱり10万くらいもらうつもりで。それだけのものだと思うんです。だけど案外治っちゃうとこんなもんかって思って、自分が治したみたいなことになっちゃうんですよね。出会うことによって、一生懸命やることがエネルギーとなって相手に伝わって治っていくんだけど。案外患者さんっていうのはあんまり治してもらえたっていうのは,照れくさいんだか認めないんでよね。自分で治ったんだって。だからなかなか治療院に来ない。っていうか紹介しないんですよね。紹介してもらえればいいんだけど、なかなか。どうです紹介します? どんどん次から次へと。
「そうですね紹介の人も多いんですけど、独り占めしたいと思って言わない人も」
そうですね。そういう方が案外多いですね。ウチなんかそうですよ。結構紹介してくれない。独り占めが多い。こっちも独り占めしたい(笑) って締めたりして。お後がよいようで。じゃあ締めましょうか。
本当に無理しないでね。でなるべく充電するやり方。放電するんじゃなくて。もちろん放電するんだけども,いただく、充電してエネルギーをもらう方向性を持って、まずは意識を持つことですよ。一生懸命一生懸命じゃなくてね、そこでまあ学ばせてもらうというか。
それをエネルギーに変えていくというね。やっぱりそういう思いを持つことが大事でしょうね。一生懸命一生懸命ということも大事なんだけども,そこからなんか自分の汲み取るものと言うか,勉強していくっていう方向性を持っていれば,必ず充電できていきますので。
何か会えてよかったというかね、行けてよかったというね。まあ治ればもっと嬉しいんだけど。でもやっぱりまた来てねって言われただけでも、それはまたエネルギーが頂けることなので。勘の世界と科学的な世界は、必ず矛盾するわけじゃないですか。やっぱり直感って言うのはすごく大事です。科学においても発見発明というのはみんなその勘で行くわけですよね。理屈で1足す1は2、2足す2は4っていうかたちできちっとやっていったって、それで終わっちゃう人もいるわけですよね。そこにもうひとつひらめきって言うのがあって,大発見があるって言うのがね、まあそれが社会貢献になっていくっていうか完成につながっていくということがね。まあそんなことを考えながら、エネルギーをもらいながら治療してみてください。はい、じゃあ終わりにしましょう。
「ありがとうございました」
文責/伊藤